「トレーディング・シティ」は、無数の「トレード」によって時代と共に変化し続ける。

我々は、都市空間の価値向上を促すための「トレード」という方法論を提案する。      
異なる複数のダイナミックな都市更新手法の提案を目論み、土地、建物、用途、人などを「トレード」により最適化し
た都市「トレーディング・シティ」が、21世紀の新しい都市を創る。
約束された人口縮小社会、改めて明らかになった天災のリスク、あるいは大きな物語としての地球環境問題。21世紀を通して我々が立ち向かうべき問題が、都市空間の再編と更新の方法論を要請している。しかし、成熟した都市圏において、マスタープラン的都市計画はもはや機能せず、個別の経済活動の集積が都市構造を形成している。そのスケールは、大資本による面的再開発や小さく個別な活動など多様であるが、いずれもその範囲内で完結していることが多い。その結果、地方都市や商店街の衰退、荒廃した住宅地の発生等を引き起こし、都市全体の価値向上に寄与しているとは言えない。 そこで、開発において複数の地点を同時に扱い、各々が有する価値の「トレード」=交換・取引を行い、互いがwin-winの関係になる開発の在り方を模索する。このとき、「経済」的価値のみによる比較ではなく、例えば「環境」、「文化」、「社会」、「インフラ」、「クリエイティビティ」などの多様な場所に固有な価値による比較の可能性を検討する。